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​現在と今思う事

​努力の末、そして頼もしいスタッフにも恵まれて、2016年に銀行からの借り入れを完済することができました。ようやく形にできてきた。

そして、お米、レタス、枝豆の栽培体系でなんとかなりそうだ、とやっと見えてきたところです。​

生産技術は沢山の人の協力のお陰で確実についてきています。

この出来事のおかげで、元々は理想を追いかけ、新しい技術を取り入れさえすれば、安全で美味しい食べ物ができると思ったが、いかに現実は厳しいかを思い知らされました。でも、この体験があったからこそ、理想だけではなく、目の前にある現実、毎日の生活をしっかりと向き合って生きていくことを学びました。

そして、どん底から這い上がる過程で学んだ一つは、食べてくださる方の声を大切にすることでした。

現時点では、食卓のすべての食材を無農薬にすることは困難ですが、自分が得意とするお米づくりと、数種類のお野菜づくりにこだわりながら、食べる方が、安心して、美味しくご飯をいただいて欲しい。そう思って、日々丹精込めてお米とお野菜を作っています。

​それから、毎年作ったお米とお野菜を介護施設の方に食べてもらったり、一部のお米は一般消費者の方に食べていただき、その上で食べてくださった方から寄せられる声を大切にしています。

なぜ、介護施設にこだわっているのか?聞かれることがあります。

それは、実は、僕が大のおばあちゃん子だったからです。幼い頃に、おばあちゃんに育てられ、おばあちゃんの作った美味しいご飯の味が忘れられない。そして、無農薬のお米を作った時に、約30年ぶりに、あのおばあちゃんが作ってくれたご飯と同じように美味しくイキイキしたお米を食べられた。この味を、介護施設のおじいちゃん、おばあちゃんに味わってもらいたい。

だから、安全で美味しいお米やお野菜を作り介護施設に販売しています。

僕のお米づくりもまだまだ発展途上。

例えば、お米の中に、たまに黒い傷のある米粒が混じってしまうことがあり、おじいちゃん、おばあちゃんを困らせてしまったこと。この黒い傷のある米粒は、斑点米といって成長過程で虫が吸った跡です。殺虫剤を撒かない為に出来てしまうものです。とはいえ、この声を聞いた時、すぐさま、お米と小石を見分ける機械を導入しました。この機械は決して安くありません。実は、農家の皆さんは、高性能な機械を買う時が一番大変です。なにしろ高価なので。でも、やはり食べてくださる方が困ったり、ショックを受けることの方が悲しい。だからすぐに対応します。このように、安全に美味しく食べて欲しいという思いでこれからも突き進んでいきます。

 

こうして作ったお米とお野菜を食べてくれる介護施設のおじいちゃん、おばあちゃんが、

「このお米は美味しい」

と、笑顔で食べてくれていて、介護施設の食堂が笑顔でいっぱいになったことがとっても嬉しいです。

お米を買ってくださる一般消費者の方の中には、

「子どもがアトピー持ちで買ってます」

「旦那が体が弱いので、安全なお米を食べてほしくて買ってます」

などのケースが多いです。

これからも、「食の安全」を消費者側に立って、毎日改善を続けていきます。

​                                  続きを読む(物語4)

 

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